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ポイント争い

予選で後方に沈んだペレス、ストロールとマグヌッセン。一方 Q3 に進出した角田、ヒュルケンベルグ、リカルド。結果的には、タイヤ交換のタイミングが差を分けました。

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こちらはそのドライバーたちのタイヤ交換タイミング。

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さらにラップタイムのチャートです。これを見ると、タイヤ交換を遅らせたペレス、ストロール、マグヌッセンが後半非常に速いペースで周回しているのがわかります。特にハードでスタートしたペレスは、第 2 スティントにミディアムを履いているので抜きんでていますね。ストロールとマグヌッセンは、スタート時のミディアムでかなり引っ張りましたが、イモラはセーフティーカーが出やすいので、それを待ったと思われます。しかし、今年はコースアウトはあったものの、リタイヤはアルボンのみ。しかし残り少ない周回数を、ハイペースで飛ばすことと、ピットイン前も比較的前が開けた状態で安定したペースを刻めたことが、結果的にポジションを上げる形になりました。

早めに交換した角田、ヒュルケンベルグ、リカルドはロングスティントとなるためか、タイヤを交換していないドライバーたちとほとんど変わらないペースでしか走れていません。その後も同じペースで走り続けることになるので、タイヤ交換後に2 秒近く早いペースで迫るペレスやストロールに、簡単に抜かれてしまいます。

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こちらは、角田のタイムを 0 としたときの、各ドライバーが角田の前後何秒を走行していたかを示すグラフ。後半、ペレスやストロールが一気にペースアップしているのがよくわかります。スタートでハースに前に出られてしまった、相変わらずのかなり早いピットストップでアンダーカットを狙ってきた集団がいた、少しピットストップのタイミングが遅いとそれらの集団の後ろに入る可能性があったため、角田としてもあのタイミングで入るしかなかったのでしょう。(下グラフの青丸の部分)

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同じく角田を 0 として、10 周目前後でピットインしたドライバーたちの差をグラフにしました。(アルボンは差が大きくなりすぎたので省略しています)

先にタイヤ交換をしたガスリーやボッタスがペースを上げてきて、もう少しでピットストップウインドウに入ってきてしまいそうだったタイミングで、RB はピットに呼んでいるのがわかりますね。これがあったので、今回はポジションが前の角田ではなく、リカルドから先にピットインしたのでしょう。

とはいえ、さすがにこれはタイヤが持たなかったようで、ガスリー、アロンソはもう一度タイヤを交換しました。ボッタスは走り切りましたが、最終的にはタイヤを交換したガスリーにオーバーテイクされるぐらいペースが落ちています。そう考えると、この集団に反応しない方がベターだったのでしょうけれども、RB としてはストロールほどミディアムが引っ張れる確信がなかったので、そうなるとガスリーやボッタスの後ろに入ってしまいタイムをロスしてしまう。それならば、なんとかハードタイヤをマネジメントして走り切れる、それでいてヒュルケンベルグはアンダーカットする戦略で 1 ポイントをとれたというのは、悪くない状況判断だったのではないでしょうか。

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さらにそのグラフに、ストロールのペースを重ねてみると、ストロールがあのラップまで引っ張った目的が見えてきますね。赤矢印で示したとおり、ボッタスの前に出られるタイミングを待った様子が見えます。ガスリーがピットに入ったあたりでストロールもピットインしてもよさそうでしたが、まだミディアムのペースがありそうだったので、ボッタスの前も行けた感じでしょうか。

TOP 10 ONBOARDS

とはいえ、いつもはいろいろなアクションがみられる F1 公式の TOP 10 ONBORADS 動画ですが、今回はスタート時のポジション争いで結構な時間を使っていたり、角田がサージェントをオーバーテイクして、続けてヒュルケンベルグもサージェントを抜いたシーンがトップになっているあたり、あまり目立った動きのなかったレースだった、と言えそうですね。

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