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O.Piastri

ピアストリ自身の、チャンスをつかみ取るオーバーテイクや、落ち着き払った (それでいてフェアな) ディフェンスによる、見ごたえのあるトップ争いの末の優勝。車がよいのは間違いないのですが、ドライバーの強さも光るレースでしたね。

とはいえ、今回は予選で下位に沈んだノリスが効果的なアシストでした。以下のグラフは、ピアストリのペースを0として、ルクレール、ペレス、ノリスの前後関係を表しています。

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青丸で囲った箇所、先にピットインしたペレスがアンダーカットを狙いますが、ギリギリでピアストリが先行したシーン。ここで万が一、ペレスに前に出られていたら、全く違った展開となったでしょう。そして、このシーンを作ったのがノリスでした。

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こちらはピアストリ、ペレス、ノリスのラップタイム推移。後方からオーバーテイクを繰り返し、上がり下がりがあるものの徐々にペースを上げていたノリスが、こちらの青丸で示した箇所で 1 ~ 1.5 秒ほど落ちています。ここでペレスがピットインしてノリスの後方に入ったので、ペースを落としてピアストリのウインドウから追い出した。レース前にはノリスのチャンピオンシップを狙いに行くというニュースも出ましたが、それでもノリス最優先ではなく、ピアストリが勝つためにノリスを使うこともできる、今のマクラーレンの強さが出た瞬間だと思います。

しかし、レッドブルはなぜノリスの後ろにペレスを出してしまったんですかね。確かに、上のグラフを見るとルクレールとピアストリの間が徐々に開いてきたので、早めに手を打ちたかった、というのもあったかもしれません。ノリスと、あとは可能であればノリスと同様ハードタイヤでスタートしてロングスティントを狙うであろう、アルボンの前に出られれば良かったのですが、徐々にノリス (やアルボン) のペースの方が、ペレスよりも良くなる傾向が見えてきたので、止む無しとの判断だったのかもしれません。もしかしたら、それを狙ってピアストリがペースを抑えた?でも、それはピアストリがルクレールから離されてしまうので、リスクが高いですよね。ただ、ペレスがここでアンダーカットできなかったことで、最終的には最終盤のクラッシュの遠因になったともいえると思います。

コンストラクターランキング

結果としては、マクラーレンが 20 ポイント差をつけて逆転。現時点の勢いでは順当な結果のように見えますが、終盤、仮にレッドブルに最善な方向へ転んだら・・・と考えてみても面白いです。

つまり、

  • ペレスがクラッシュせずに、尚且つルクレールを抜いて2位獲得
  • フェルスタッペンはノリスに抜かれるが、ソフトタイヤに履き替えてファステストラップを取り返す

を達成できたとします。そうなると、以下のような結果になるでしょう。

  1. ピアストリ
  2. ペレス
  3. ルクレール
  4. サインツ
  5. ラッセル
  6. ノリス
  7. フェルスタッペン (ファステストラップ)
  8. アロンソ
  9. アルボン
  10. コラピント

こうなると、コンストラクターランキングはこんな感じになります。

Team Points
Red Bull Racing Honda RBPT 471
McLaren Mercedes 471
Ferrari 434
Mercedes 302

なんと同点で並んでいたようです。まあ、言っても仕方のない話ですし、今の状態だと同点でもマクラーレン優位なのは間違いないと思いますが、だからこそ取れるポイントはとっておかないと、後々厳しくなるでしょう。

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